美濃の魅力
私たちがプロジェクトの第一弾で取り組みたかったのが、羽根の地元である美濃の焼き物です。
日本一の生産量を誇りながら、まだまだその魅力を知られていない美濃焼。
1300年の歴史がある美濃焼には織部や黄瀬戸、志野など、魅力的で伝統的な焼き物があります。この地域には多くの作家が集まるだけではなく、人間国宝から大量生産の工場の焼き物までが共存し、まさに人々の身近な生活に自然と焼き物があります。
その魅力をもっと深く知りたくて、これまで二人で何度か現地に足を運び、うつわを作る人、それをつなぐ人へのインタビューを重ねました。
そこから見えてきたのは、若い作家さんや、型に縛られずに新しい時代を切り拓こうとするいきいきとした「ひと」の姿でした。
歴史ある焼き物の産地として豊かな土や釉薬が充実しているだけでなく、若い作家の才能を育てる美濃焼の研究機関の存在や、伝統的な作り方を地域で助けあっている環境もあり、実は新しい形の技術継承も進んでいる・・。
実は、美濃で作陶されている作家の多くは、自分の作品を「美濃焼」とはあまり認識していないとおっしゃる。でも「この地だからこそ出来た」、そして「この地が好きだ」と愛情たっぷりに返答が返ってきます。地元が美濃ではなく、わざわざ他の地域から移住された方も多い。
美濃で学んで、他の地域へ羽ばたいていく作家には、美濃で育ったエッセンスが流れているのではないだろうか。
私たちはこのプロジェクトを通して、美濃で生まれる作家と焼き物にあらためて魅力を感じ、この地で必然性があって生まれた才能や器を「美濃焼」と定義することにしました。
美濃で出会った、全ての方に感謝です。
About Mino Ware
Mino ware is the most produced pottery in Japan, but it is not well known. Dating back to
1300 years ago, Mino ware has fascinating and traditional pottery including Oribe, Kizeto
and Shino. Not only do potters gather in Mino Province, but there are also living national
treasures and factories for mass producing potteries that all coexist. Pottery, nonetheless,
becomes a part of the people’s daily lives.
After visiting the area and interviewing potters, we were drawn to young artists who were
trying to carve out a new way of pottery and potters who didn’t fit the traditional style of
Mino ware.
Not only is there an abundance of clay and glaze, there are also Mino ware research
institutes and a community where they help each other with traditional methods of pottery
and at the same time, developing new techniques.
Many of the Mino ware artists say that their works do not fit into the style of traditional
Mino ware but they say they were able to do it because of this place. And they love this place.